公開日 2025年04月21日
岩手県内の百日咳患者数が増加しています!!
令和7年1月以降、国内の百日咳患者が増加しています。岩手県でも、過去最速ペースで増加しています。
釜石市内での報告はまだありませんが、十分に注意しましょう。
★感染症の流行状況を確認できます!
岩手県内における、感染症の発生状況は、岩手県感染症情報センターのホームページから確認できます。
詳しくはこちらをご覧ください。
百日咳ってどんな病気??
百日咳は百日咳菌の飛沫感染(せきやくしゃみのしぶきに含まれる菌を介して)で起こります。昭和25(1950)年から百日せきワクチンの接種が始まって以来、患者数は減少していましたが、近年、長びく咳が特徴の、学童から思春期・成人に百日咳の報告が増加し、乳幼児への感染源になっています。
百日咳は、特に新生児・乳児や高齢者、他の病気で抵抗力が弱い人は重症化することがあるので注意が必要です。
潜伏期間・症状
潜伏期間 | 約7日から10日 |
症状 |
①カタル期:はじめは、普通の風邪症状ですが、だんだん咳がひどくなります。(1~2週間) ②痙咳期(けいがいき) :顔を真っ赤にして連続的に咳こむようになります。(約2~4週間) 咳の後、急に息を吸いこむので、笛を吹くような音が出ます。 咳が無い時は全く正常な状態なのが、他の気道疾患と異なるところです。 ③回復期:次第に咳こむ回数が減ってきます。長い場合は2か月程度続きます。 |
重篤な症状 |
新生児や乳幼児は咳で呼吸できず、くちびるが青くなったり(チアノーゼ)、けいれんが起きます。 また、突然呼吸が止まることもあります。 肺炎や脳症などの重い合併症を起こしやすく、命を落とすこともあります。 |
長びく咳を放置しないで、医療機関を受診しましょう
成人は、咳が長い期間続きますが、軽症で経過するケースが多いです。そのため、医療機関を受診せず診断が遅れます。しかし、その間も百日咳菌は排出され続けているため、感染が広がるおそれがありますので、ご注意ください。
【百日咳の治療】
百日咳と診断されると、抗菌薬が処方されます。医師の指示どおりに、決められた日数分の抗菌薬を服用しましょう。少し良くなったと自己判断し、途中で服薬を中断しないようお願いします。
学校への出席停止の取り扱い
百日咳は、学校保健安全法で第二類感染症に定められています。特徴的な咳が消失するまで、又は5日間の抗菌薬による治療を終えるまで出席停止になります。また、流行状況により出席停止期間の指示が出る場合があります。
予防接種を受けましょう
世界各地で、百日咳の予防接種は実施されており、その普及により百日咳の発生数は激減しました。しかし、接種を受けていない人や、接種を受けてから年数が経過したことで発生数が増加傾向にあります。
【百日咳の予防接種】
百日咳は感染力が強く、健康な人でもかかります。予防接種を受け、自身や周りの人を感染症から守りましょう。
①乳児(定期接種):生後2か月から五種混合ワクチン(ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ、ヒブ)、四種混合ワクチンを接種しましょう。
②児童~成人(任意接種):三種混合ワクチン(ジフテリア、百日咳、破傷風)を接種できますので、医療機関にご相談ください。
★乳児期に定期接種として、四種混合、五種混合ワクチンを接種していても、就学前には百日咳抗体価が低下しているケースがあることから、任意接種として就学前に三種混合ワクチン接種が推奨されています。(日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール2024年8月)
感染症対策をひきつづきお願いします
新型コロナウイルス感染症大流行の時、みんなで様々な感染症対策に取り組みました。新型コロナウイルス感染症の流行が落ち着き、感染症対策を実践する場面が減っています。百日咳予防のためにも、感染症対策の基本である「手洗い」「うがい」「口腔ケア」「咳エチケット」は引き続き実践しましょう。
①手洗い
外出先からの帰宅時や調理の前後、食事前など、日常生活で何回も行う手洗い。
正しい手洗いを行うことが、感染症対策では重要です。
手洗いの始まりは流水で汚れを落とし、それからハンドソープをつけます。流水洗いを省略し、ハンドソープを手に取っていませんか?手洗いの後は、きちんと手を拭くことも大切です。
②うがい
うがい効果は、お口の中のウイルスや細菌を洗い流したり、のどの乾燥を防ぐことで、感染予防の効果があります。まずは、ブクブクうがいでお口の中の汚れを吐き出してから、ガラガラうがいをしましょう。
③口腔ケア
口腔ケアは、丁寧な歯磨きや、歯間ブラシを使って歯のお掃除、洗口液(マウスウオッシュ)でうがいをすることをお勧めします。加えて、忘れないでほしいのが「舌のお掃除」です。お口の中を清潔に保つことは、感染予防でも重要です。また、口呼吸をしていると、お口の中が乾燥します。鼻呼吸を心がけましょう。
④咳エチケット
咳やくしゃみで「しぶき」はおよそ2m飛びます。。咳エチケットとは、感染を広げないために、咳やくしゃみをする際にマスクやティッシュ、ハンカチ、袖などで口や鼻をおさえることです。咳エチケットをせずに、咳やくしゃみを「手のひら」でおさえると、ウイルスや細菌が手につき、その手でドアノブなどに触れること、またドアノブや周りの物に触れた手で、自分の目や口に触れることでも感染拡大につながります。
⑤日常生活で気を付けてほしいこと
- 換気をする
冷房や暖房を使用すると、窓やドアを閉め切りになりがちです。こまめに換気をしましょう。
- 規則正しい生活をおくる
バランスの良い食事、十分な休息、質の良い睡眠は免疫力アップにつながります。運動や入浴により、体温を上げ、免疫細胞を活性化させましょう。
- 人ごみの多い場所を避ける
多くの人が集まる場所は、感染リスクが高まります。なるべく避けるか、その場に応じたマスク着用や咳エチケットを心がけましょう。
- 体調に不安があるときは無理をしない
咳症状がある場合は、無理をせず自宅で療養し、必要であれば医療機関を受診しましょう。
- 予防接種を受ける
予防接種は、発症を抑える効果や重症化を予防する効果があります。
乳幼児、高齢者や基礎疾患のある人は感染すると重症化することがありますので予防接種を受けることを検討しましょう。 また、小さなお子さんや小中学生など集団生活における感染拡大を防ぐためにも、予防接種を受けましょう。