公開日 2025年10月15日
更新日 2025年12月12日
令和6年5月17日、民法等の一部を改正する法律(令和6年法律第33号)が成立しました(同月24日公布)。
この法律は、父母の離婚等に直面するこどもの利益を確保するため、こどもの養育に関する父母の責務を明確化するとともに、親権・監護、養育費、親子交流等に関する民法等の規定を見直すものです。
この法律は、一部の規定を除き、令和8年5月までに施行されます。
親権・養育費・親子交流などに関する民法改正の主なポイント
親の責務に関するルールの明確化
父母が、親権や婚姻関係の有無にかかわらず、こどもを養育する責務を負うことなどが明確化されます。
こどもの人格の尊重
こどもの心身を健全に育てる責任があります。こどもの意見をよく聞き、人格を尊重しなければなりません。
こどもの扶養
こどもを養う責任があります。こどもが親と同じ程度の生活を送れる水準でなければなりません。
父母間の人格尊重・協力義務
こどもの利益のため、お互いを尊重し協力し合わなければなりません。
※注意※
次のような行為は、このルールに違反する場合があります。
・暴力や相手の心身に悪影響を与えるような言動など
・別居親が同居親による日常的な世話に不当に干渉すること
・特段の理由なく他方の親に無断でこどもを転居させること
・取り決めをした親子交流を特段の理由なく、妨げること
こどもの利益のための親権行使
こどもの利益のため、親権を行使しなければなりません。
親権に関するルールの見直し
父母の離婚後の親権者
離婚後に、父母の一方のみを親権者とする単独親権のほかに、父母両方とも親権者とする共同親権の選択ができるようになります。
父母両方が親権者である場合
日常の世話をするときやこどもの利益のため緊急の事情があるときは、父母のどちらかで決めることができるようになります。
日常の世話・・・毎日の生活に必要なこと、例えば食事や着る服を決めること、短い旅行、予防接種、習い事 など
緊急の事情・・・DVや虐待からの避難、緊急に医療行為を受けさせる必要がある場合 など
こどものために大切なことは父母で話し合う
大切なこと・・・こどもの転居、将来や進学先の決定、心身に重大な影響を与える医療行為の決定、こどもの財産管理 など
※父母の意見が対立するときは、家庭裁判所で、父母のどちらかが単独でその事項を決められるようにする裁判を受けることができるようになります。
監護についての定め
父母が離婚するときは、こどもの監護の分担についてのルールを定めることができるようになります。
養育費の支払確保に向けた見直し
取り決めの実効性の向上
文書で養育費の取り決めをしていれば、支払いが滞った場合にその文書をもって、一方の親の財産を差し押さえるための申立てができるようになります。
法定養育費
離婚時の養育費の取り決めがなくても、こどもと暮らす親が、こどもと暮らしていない親へ、こどもの養育費を請求できる制度です。
※あくまでも養育費の取り決めをするまでの暫定的・補充的なものです。
※法定養育費は、父母間で取り決めるべき養育費の標準額や下限額を定める趣旨のものではありません。
裁判手続きの利便性が向上
家庭裁判所は、養育費に関する裁判手続きをスムーズに進めるために、収入情報の開示を命じることができることとしています。
また、養育費を請求するための民事執行の手続きでは、地方裁判所に対する1回の申立てで①財産の開示、②給与情報の提供、③判明した給与債権の差し押さえに関する手続きを行うことができるようになります。
安全・安心な親子交流の実現に向けた見直し
親子交流の試行的実施
家庭裁判所の手続き中に親子交流を試行的に行うことができます。家庭裁判所は、実施が適切かどうかや調査の必要かどうかなどを検討し、実施を促します。
婚姻中別居の場合の親子交流
婚姻中の父母がこどもと別居している場合の親子交流は、こどものことを最優先に考えることを前提に、父母の協議で決め、決まらない時は家庭裁判所の審判等で決めることがルールとなります。
父母以外の親族とこどもの交流
祖父母など、こどもとの間に親子交流のような親しい関係があり、こどものために必要があるといった場合、家庭裁判所は、こどもが父母以外の親族との交流を行えるようにルールを定めることができるようになります。
詳細については、法務省ホームページでご確認ください。
この記事に関するお問い合わせ
PDFの閲覧にはAdobe社の無償のソフトウェア「Adobe Acrobat Reader」が必要です。下記のAdobe Acrobat Readerダウンロードページから入手してください。
Adobe Acrobat Readerダウンロード
