公開日 2025年12月01日
ツキノワグマは基本的に人を避ける動物ですが、出会いがしらに遭遇すると自らの身を守るため攻撃的な行動に出ることがあります。特に子連れのクマには注意が必要です。母グマは子グマを守るため攻撃的になりやすいといわれています。
農作業で畑へ行く時、山あいの道路や沢沿いのヤブ、実のなっている木の近くを散歩する時、山菜やキノコ採りで入山する時は、鈴やラジオを携帯する、見通しの悪い場所や沢沿いなどの音が聞き取りにくい場所では掛け声をかける、手を叩くなど、常に自分の存在をクマに知らせるようにして、出会いがしらの遭遇を防ぎましょう。
また、当市は人の生活域である住宅地とクマの生息域である森林とが近接しています。廃棄野菜や生ごみの処分を適正に行う、住宅周辺の藪の刈払いをして見通しを良くする、電気柵を設置するなど、クマを寄せない対策をとりましょう。
林野庁の調査によると、今年の秋はブナなどの堅果類が大凶作だったことから、餌を求めて人里に降りてくるなど、秋にかけて出没件数が大幅に増加しました。これからの時期、冬眠に向け出没件数も落ち着いてくると思われますが、油断することなく下記の事項に留意して十分な対策をお願いします。
△監視カメラに写った親子のクマ(市内森林で撮影)
令和7年度「ツキノワグマの出没に関する警報」が発表されています
県内全域に「ツキノワグマの出没に関する警報」が発表されています。令和5年度と比べ令和6年度はツキノワグマの出没件数等は減少傾向にありましたが、令和7年度においても人身被害や農作物被害が懸念されるため、引き続き注意が必要です。
○令和7年度ツキノワグマの出没に関する警報について(岩手県ホームページ)
https://www.pref.iwate.jp/kurashikankyou/shizen/yasei/1049881/1043255.html
令和7年9月から緊急銃猟制度が始まりました
令和7年9月1日に鳥獣保護法が改正され、人の生活圏にクマやイノシシが出没した場合、人に弾丸が当たらないように安全確保した上で、市町村判断での銃猟が可能となる制度です。緊急銃猟では、次の4つの条件を満たす場合に初めて実施することができます。
条件①:クマやイノシシが人の日常生活圏に侵入していること
※侵入するおそれが大きいことを含む。
条件②:クマやイノシシによる人命または身体への危害を防止するため、
緊急に対応が必要であること
条件③:銃猟以外の方法では的確かつ迅速な捕獲等が困難であること
条件④:住民や第三者に銃猟による危害を及ぼすおそれがないこと
市では、市民の皆様の命と暮らしを守ることを第一に考え、クマなどが人の生活圏に出没した場合は、追い払いや誘因物の除去、緊急銃猟など、状況に応じて適切な対応を選択し、実施できるような体制整備を進めて参ります。
○緊急銃猟制度について(環境省ホームページ) 緊急銃猟 || 野生鳥獣の保護及び管理[環境省] (env.go.jp)
人里や住宅地における対策(クマを引き寄せない)
・住宅や農地周辺にあるカキ、クワ、クルミ、クリなどは所有者が適正に管理し、放置している場合はクマを引き寄せるので伐採する。
・庭先の果樹や家庭菜園について、利用しない場合は早期に摘果する。
・住宅付近にクマが好むトウモロコシなどの作物を作付けしない。
・屋外や外に臭いが漏れ出てしまう納屋等に漬物、果物、穀物、米ぬか、ペットフード等を保管しない。
・生ごみや廃棄農作物を住宅付近の農地などに放置せず、適正に廃棄処理する。
山林内や山の近くでの対策(クマに人の存在を知らせる、クマに近づかない)
・クマの目撃情報や新しいクマの痕跡(糞や爪痕)のある場所は避ける。
・クマ鈴や、笛、ラジオなど、音の出るものを携帯する。
・複数人で行動し、見通しの悪い場所や沢沿いでは掛け声や音を出すことで、自分の存在をクマに知らせる。
・伐採後の伐根や林地残材にいるアリも食べるため、細かく裂けた木片など、新しい痕跡のある場所は避ける。
・万一の遭遇に備え、クマ撃退スプレーを携帯する。
関係機関ホームページ等の情報もご活用ください
○ツキノワグマによる人身被害状況・出没状況について(岩手県ホームページ)
https://www.pref.iwate.jp/kurashikankyou/shizen/yasei/1049881/1056087.html
○ツキノワグマ被害防止リーフレット(岩手県ホームページ)
https://www.pref.iwate.jp/kurashikankyou/shizen/yasei/1049881/1005472.html
○農業現場におけるクマ出没等に関する注意喚起リーフレット(環境省ホームページ)
○クマに関する各種情報・取組(環境省ホームページ)
https://www.env.go.jp/nature/choju/effort/effort12/effort12.html
市内のツキノワグマ出没状況について
水産農林課では、ツキノワグマの目撃情報が寄せられると、防災行政無線で目撃場所付近にいる方々に注意喚起するとともに、現場に向かい、確認を行っています。現場では、まず先にクマがいるかどうかを確認し、いる場合には動物駆逐用花火で追い払いを実施しています。いない場合でも、クマの足跡や糞などの痕跡、クマを引き寄せるエサになるものの有無などを確認し、その除去や防除方法について指導しています。現場確認の際には、釜石大槌猟友会や岩手県の鳥獣保護巡視員、釜石警察署などの協力を得ながら、人身被害防止やクマの出没抑止に努めています。
○令和4年度からの月別出没件数の推移(令和7年11月末現在)
市内におけるツキノワグマの月別出没件数の推移(令和7年11月末現在)[PDF:8.86KB]

クマに関するご連絡・ご相談は
○ 岩手県環境生活部自然保護課 019-629-5371
○ 岩手県沿岸広域振興局保健福祉環境部環境衛生課 0193-27-5523
○ 釜石市産業振興部水産農林課 0193-27-8426(直通)
※夜間や土日・祝日は、代表番号「0193-22-2111」にご連絡ください。
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