かまいし探訪
その8
かまいし文学碑めぐりC  釜石市文化財審議委員会 
 会長 菊池 清人 
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文学碑マップ
 F 井上ひさし文学碑「ひょっこりひょうたん島」

 大平の鉄の歴史館駐車場に、平成22年に亡くなった作家・井上ひさしの文学碑があります。

 井上ひさしは山形県に生まれ、大学休学中の2年間を母マスの暮らしていた釜石で過ごしました。
 井上の釜石での経験は『花石物語』等の作品に反映されており、またその母・井上マスも『人生はガタゴト列車に乗って』という自叙伝的小説の中で、釜石での生活を描いています。

 井上は日本を代表する作家となってからも母と兄の暮らす釜石をたびたび訪れていました。

井上ひさし文学碑    ア ク セ ス
井上ひさし文学碑 地図
【所在地】 釜石市大平町 鉄の歴史館駐車場

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碑文は人形劇『ひょっこりひょうたん島』主題歌の歌詞です。 『ひょっこりひょうたん島』はNHKで昭和39(1964)年から放送され、子供たちの人気を集めました。
原作は井上ひさしと山元護久(放送作家・児童文学者)。主題歌の歌詞も井上と山元によるものです。
 G 遠藤梧逸句碑

 釜石大観音の足元に、史跡・鎌崎砲台場跡があります。そこに遠藤梧逸の句碑があります。

 遠藤梧逸は、本名を後一といい、明治26(1893)年に岩手県前沢町に生まれ、逓信省に入省、郵便局長などを歴任し、その傍ら、ホトトギス主宰の俳人高浜虚子に師事し、昭和26(1951)年にはみちのくを主宰し、平成元(1989)年に亡くなるまで、岩手県の俳壇の発展に寄与しました。

 

  アクセス
遠藤梧逸句碑 
遠藤梧逸句碑 地図
【所在地】 釜石市大平町 釜石大観音境内

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釜石大観音
烏賊漁の出船入船臠(みそなわ)
・    ・    ・
この碑は昭和45(1970)年、小色隆太郎氏が梧逸の高詠を釜石にも伝えたいという思いから建立されたものです。
 H 中村華子歌碑

 大平公園には中村華子の歌碑があります。

 これは華子が文女という雅号でアララギ派の歌人として活躍し始めた頃の歌で、昭和6(1931)年に東京日日新聞に掲載されたものです。
 華子は気仙沼から現在の浜町付近に移り住んでいましたが、昭和8(1933)年の三陸大津波に襲われ24歳の若さで亡くなりました。


 

  アクセス
中村華子歌碑
中村華子歌碑 地図
【所在地】 釜石市大平町 大平公園内

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つきつめてものを思ふもすべなかり
おほよそにして過ぎ行くものを
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この文学碑は中村華子の死去から35年後の昭和43年に建立されました。
 かつて紙上で彼女の句を読み感銘を受けた上野勇氏が、若くして亡くなった歌人への慰霊の意味を込めて、海の見える公園内に建立したものです。



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