その6.  かまいしと相撲 
 釜石市郷土資料館では平成18年10月12日〜29日まで、岩手県立博物館移動展「南部の相撲展」を開催しました。また、この移動展にあわせ、釜石の相撲に関する資料を募集、展示いたしました。

 そこで今回のコラムは移動展の様子と、かまいしと相撲の関わりについてご紹介します。
 か ま い し の 相 撲
岩手に古くから受け継がれてきた
南部相撲は「四角い土俵」を用いることで
有名でした。

この四角い土俵は遊覧相撲や
草相撲とともに岩手県内に広まり、
かつて釜石にもありました。



「 四 角 い 土 俵 」

鈴子公園にあった釜石製鐵所相撲道場です
残念ながら現在は残っていません

かつて鈴子公園にあった四角い土俵
釜石製鉄所相撲部 かまいしの相撲は
神社での奉納相撲が
そのさきがけと考えられます。


明治初期ごろから、
尾崎神社を初めとする市内の神社で
奉納相撲が行なわれていたようです。


←釜石製鐵所相撲部(木村勲氏提供)

山神社奉納相撲での土俵入りの様子
です
アマチュアスポーツとしての相撲は
釜石製鐵所相撲部を中心に発展します。
製鐵所相撲部は戦前、戦後を通して活躍し、
国体代表選手も輩出しました。


化粧まわし・軍配・稽古用まわし→

(山崎信夫氏提供)

釜石製鐵所相撲部で使用したものだそうです
化粧まわしは絹製で、鯉の模様が刺繍されています
(ちなみに裏にも綺麗な模様があります)
稽古用まわしは硬い木綿布で出来ていて、
長さ6mくらいあるとのことでした!
化粧まわし・軍配・稽古用まわし
 大 相 撲 と か ま い し
昭和初期の大相撲巡業 釜石では昭和初期から
大相撲の巡業を招致しています。

その頃の相撲巡業の執り仕切りには
消防組が活躍していました。




  ←現在の釜石市大町につくられた仮設相撲場にて
    土俵前に座っているのは消防組小頭


一緒に写りこんでいる観客の様子も
時代をあらわしていて面白いですね
戦後は昭和30〜40年代に大相撲巡業があり、
若乃花や大鵬、柏戸など
当時の人気力士達も釜石を訪れています。

釜石にはその当時の写真や手形などの
相撲に関する資料が残っており、
今回の展示にも多数ご提供いただきました。


横綱・若乃花との記念写真(千田恵一氏提供)→
若乃花は釜石巡業の折、何度か千田家に宿泊しており、
千田家には写真のほか手形なども残されています
横綱若乃花
元十両・樋下さん
元十両美楯山
(みたてやま)・樋下さんからは
明荷
(あけに)、序二段・幕下優勝時の表彰状など
貴重な資料を提供していただきました。

←元十両美楯山・樋下茂さん(右側)
大正14年生れ、16歳で立浪部屋に入門
昭和20年に序二段、25年に幕下優勝を飾る
引退後は釜石製鐵所に勤務され、
アマチュア相撲の強化に貢献されました

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樋下さんは平成18年11月末にお亡くなりになられました
ご冥福をお祈りいたします
南部の相撲展の様子

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