「釜石市意見募集手続制度の考え方」

 釜石市では、平成16年9月1日から市の重要な施策や計画、市の基本的な方向性を示す条例などの策定案を事前に公表し、これらについて幅広く意見や提言をいただき、それらの意見を考慮しながら最終案を決定していくことといたしました。
 このように皆さまの意見を政策立案へ反映していこうとする制度は、欧米では広く行われており、「パブリックコメント(Public Comment)」と呼ばれています。和訳すれば、「公衆の意見」ということになりますが、そこには市民がプライベートな立場ではなく「公共的な立場で意見を申し立てる」といった意味合いも含んでいます。
 国内では、平成11年4月に国が「規制の設定又は改廃に係る意見提出手続」を制定し、各省庁が国民に義務を課したり、権利を制限しようとする制度を設ける場合は、広く国民から意見を求めることを義務づけています。
 また、全国の自治体では国のような規制分野に限らず、基本的な政策や条例などの制定に際しても市民の意見を聴こうとする動きが活発になっています。
 当市でも、地方自治の本旨である住民自治の立場から、市民の皆さまの意見や提言をこれからのまちづくり(計画等の策定)に積極的に反映させていきます。
 「釜石市意見募集手続実施要綱」は、そのための手続を定めるものです。この制度が活用されることにより、市民の皆さまの市政への関心が高まり、より公正で民主的な市政の実現を期待しています。

 

■意見を提出できる方


 意見の募集については、市の政策や条例などが、市民の皆さまだけでなく、市内で日常的に活動を行う他の自治体からの通勤者や通学者、さらには市内に事業所を置く法人、その他政策に関して利害関係を持つ人(法人)などにも影響を与える場合があることから、そのような方も対象といたします。
 1.市内に住所がある方
 2.市内に事務所又は事業所をお持ちの方
 3.市内にある事務所または事業所に勤務している方
 4.市内にある学校に在学している方
 5.意見募集手続に係る事案に利害関係のある方


■意見募集制度の対象とする計画や例規の範囲


 1 市の政策に関する基本的な計画の策定又は変更
 市の総合的な構想及び計画又は個別行政分野における基本的な計画及び方針、さらには環境や福祉、都市計画などといった行政分野ごとの基本的な行政計画など、また、計画に類似した将来構想や長期ビジョンなども含みます。

 2 市の基本的な制度を定める条例及び市民等に義務を課し、又は権利を制限する条例の制定又は改廃
  ○市の基本的な制度を定める条例
 現在、市は250あまりの条例を制定していますが、これらの中には上位法に基づいて定めた条例や行政組織の内部手続を定めた条例なども数多く含まれます。意見募集制度の対象とする条例は、そうしたものを除き、例えば「釜石市公文書公開条例」や「釜石市行政手続条例」のように市政を推進する上で共通の制度を定めたもの、「釜石市環境基本条例」のように行政の各分野の政策的な方向性を示した条例などになります。
  ○市民等に義務を課し、又は権利を制限する条例
 市民に義務を課したり、権利を制限したりする場合は、条例を定めることが地方自治法で義務づけられています。一般に「規制条例」といわれるもので、許認可や規制・罰則などの規定を設ける条例は、すべてこの制度の対象とします。
 なお、行政サービスの手数料の種類や金額を規定した「釜石市手数料条例」や公共施設の使用料の金額を規定した各種の「施設設置条例」などは、軽微な料金改定のたびに意見募集制度の手続を行うと、条例改正事務が煩雑化するために、こうした金銭徴収に関するものは基本的には対象外とします。

3 広く市民の公共の用に供される施設の建設に係る基本計画の策定又は変更
  「主要な公共施設の計画」とは、広く市民の利用が予想される会館、公園、図書館等の施設整備に係る理念、機能などを定める計画をいいます。


■公表の時期及び方法


 意見募集手続制度は、まず市側が実施機関単位で計画案や例規案を公表するところから始まります。
公表に際しては、単に計画案や例規案だけを示すのではなく、その趣旨や目的、策定するに至った背景や経緯、政策等の概要などをわかりやすく示します。

 1 公表時期
 最終的な意思決定を行う前に公表いたします。
 2 公表の方法
 市の実施機関は、公表する計画案や例規案とその関連資料を市役所や市の指定する施設に配備するとともに、「広報かまいし」やホームページ、報道機関などを使って公表の内容を周知していきます。
また、計画等の案を公表した場合は、市民等の皆さまが意見をどのように提出すればよいかも具体的に示す必要があります。そこで、「意見提出先」、「提出方法」、「提出期限」などもあわせて明示します。
意見を募集する期間は、最低1か月以上とします。


■意見等の提出


 意見提出の方法は、郵送、ファックス、電子メールに加え、直接持参していただいても結構です。とにかく、皆さまの意見や提言が「紙」に書かれていることを前提とします。そのため、電話での直接的な意見はこの制度では考えていません。
 また、意見募集手続制度の趣旨として、公民としての責任のある立場で市民等の皆さまにも意見を提出してほしいということから、氏名(団体名)や住所、電話番号なども意見を提出する際にあわせて明示していただきます。


■意見の取扱い及び公表


 市の実施機関は、意見や提言の募集を終了した後、それらを取りまとめて整理し、策定しようとする計画等に提案者の意見が合理的に反映できるかどうかを検討し、最終的な意思決定を行っていきます。
 また、実施機関は計画等の最終案を市のホームページなどで公表します。この際に公表の対象とするものは、計画等の最終案に加えて、提出された意見や提言の内容、それらを受けて市が検討を加えた経過と最終的な意見の反映結果などです。提出された意見や提言はそのままの形では公表せず、また住所や氏名も公表しないことを原則にします。