岩手の人、もの、自然、風土、歴史、食などを題材として、県民が制作し、岩手の魅力を発信する「いわて動画コンテスト2016」(岩手県主催)。

このコンテストに応募された37作品のうち、釜石の菊池賢一さんの作品「エア・カマイシ」が最優秀賞を受賞しました!!

 

 ■「エア・カマイシ」( https://www.youtube.com/watch?v=HRYF6p8KO_A
自然豊かな三陸沿岸都市釜石を舞台に、様々なエア楽器で地域に関連する楽曲を奏でるファンタスティックムービー

出演:菊池賢介、佐野利恵、駒林奈穂子、菊地淳

監督・カメラ・編集:菊池賢一

協力:菊池賢太、村上浩継

 ※敬称略、順不同 

 

 

 

作品をつくった菊池賢一さん(光陽写真館)にお話を聞いてみました。



――最優秀賞受賞おめでとうございます。まずは、率直な感想をお聞かせください。

ありがとうございます。嬉しいです。受賞はみんなのおかげです。



――そもそも、今回、作品をつくって応募しようとされたきっかけは何だったのでしょうか?(理由・動機)

もともと、釜石を伝えるものとして、釜石の鉄のイメージをスチームパンクみたいな見せ方で映像化できないかと仲間と話していたんですよ。その仲間からこういうコンテストがあるみたいけど、出してみないかと提案されたのが最初。
考えていたものは予算的にも技術的にも難しかったので、どうしようかなあと思っていたところ、ある日、運転をしていたら、ひらめきました。以前にもアイデアとしてはあったものですが、これならできるかもしれないと。

 

――作品づくりには、家族や友人が協力されたそうですね。

家族は本当にありがたかった。動画を最初に見せて意見をもらっていました。家族だから、気を遣われることがないので、正直に良いなら良い、ダメならダメとアドバイスをもらいました。実際に、ここは学生服が良いとか、採用しているものもいくつかあります。家族だからこそのアドバイスでした。
そして、今回良い作品にできたのは友人たちのおかげ。知り合ったのは震災以降の人もいるけど、ずっとずっと昔からの知り合いだったような、そんな気がする友人たちです。みんなそれぞれの楽器の経験者で、こっちが言ったとおりにやるんじゃなくて、それぞれ個性・持ち味を発揮してくれました。みんなが楽しみながらできたのが一番良かったです。そのおかげで想像以上の作品になりました。本当にみんなには勇気をもらいました。

――「エア・カマイシ」は、楽器を持たずに演奏している「エア」だけではなく、かつてあった釜石の風景もとらえて「エア」としているのだろうかと考えさせられながら作品を拝見しましたが、やはり震災のことも意識されてこの作品をつくられたのでしょうか?

このまちにとって、震災は切っても切り離せないもの、それ抜きには語れないものではありますが、今回の作品ではそれを特に意識したというわけではないんです。見る方がどう感じるかは自由なのでお任せしますが、後から気づいたことがあります。
これは今もずっと考えていることでもありますが、「復興とは何か」という問いです。今より良いまちにすることには違いないけれど、もしかしたら、それは目には見えないものなんじゃないかなって。実は、被災したときは、被災したまちの写真を撮ることができたんですよ。ところが、復興したまちの写真が撮れないんです。何を撮っても復興という気がしないんです。なぜ、撮れないのかなあと考えていると、復興は、復興に向かって進んでいるという気持ち、あるいは、この被災地のみんながそれぞれの夢や目標に向かって進んでいこうとする気持ちといった、目には見えないものなんじゃないかなって。良いことも悪いこともあるけど、そういうことも全部ひっくるめて、それでも前に進んでいこうとする気持ち。そういう見えないものがあの作品の空気感(エア)として出ているんじゃないかなって。

――最後に一言お願いします。

釜石は、ここに至るまで多くの皆さんにご支援いただきました。何か自分も恩返ししたいと思っているのですが、なかなかできることがなくて。自分にできることといえば、やっぱり写真や今回の動画など、自分の作品を見ていただくことかなと。今回の作品を皆さんに見ていただくことで、「ありがとう」という想が伝われば良いなあと思っています。




菊池さん、ありがとうございました。
あらためまして、制作に関わられた皆さん、最優秀賞受賞おめでとうございました。
菊池さんは「釜石には特別な場所がたくさんありますが、表現したかったのは家の近所とか、特別な場所じゃない釜石。僕のふるさとのいつもの場所。普段、生活する場所。でもかけがえのない場所。それが自分にとっての特別な場所。それを表現してみたかった。皆さん故郷があると思いますが、そういう故郷への想いを共感していただけると思う」と話されます。
被災地としての釜石ではなく、観光地としての釜石でもなく。生活のある日常としての釜石。
こういう発信もできるようになってきたのかと感慨深くもあり、菊池さんがおっしゃるような、前に向かって進んでいくんだという現在進行形の復興の姿なのかもしれません。

※菊池さんの光陽写真館は被災し、現在、大只越町仮設店舗(青葉公園商店街)で光陽写真館をお母さんと営まれています

震災から6年。先日の3月11日には仏教のご供養で7回忌の法要なども行われました。確かに節目ではありますが、けっして区切りではありません。
復興は、まだまだ続く____


■いわて動画コンテスト2016表彰式(2017年2月25日)
https://www.youtube.com/watch?v=Xjvot469-cc

■いわて動画コンテスト2016
http://www5.pref.iwate.jp/~iwatedouga/