下水道にはどのような排水でも流してよいというわけではありません。また下水道関係で定める「特定事業場」の皆様には以下の事項をふまえて、下水道の利用をお願いします。

1.工場・事業場の排水を流す場合の注意
2.特定施設と特定事業場
3.水質基準
4.届出の義務
5.下水道へ接続する際の注意
6.水質測定義務と報告義務
7.加算下水道使用料
8.公害防止資金融資制度
9.特定施設一覧表(1)
10.特定施設一覧表(2) 

1.工場・事業場の排水を流す場合の注意

工場・事業場関係からの排水には、営む業種により様々な種類の物質が含まれています。また、下水処理場でも重金属など除去する事ができない物質も有る為、下水道にはどんな水でも流してよいというわけでは有りません。
例えば、酸性の強い下水は、下水管のコンクリートを腐食させますし、高温の下水は塩ビ管などを劣化させ下水管の寿命を縮めます。重金属・有害物及び酸・アルカリ類を含む下水は、下水処理場で下水を処理する微生物の活動を阻害し下水処理機能が低下します。また、飲食店や食品工場などから高濃度の油脂類が排出されると、冷えて下水管の中で固まって管を詰まらせたり、下水処理にかかる負担を大きくします。
このほか重金属類は処理場の処理機能を阻害し、処理系統から発生する汚泥中に濃縮・蓄積されるため、汚泥を再利用することを困難にします。
このような種々の障害を防止し、処理場の安定的運転を維持し、環境汚染を防止するため、下水道法及び釜石市下水道条例では、下水道に流す事ができる水質の基準を定めています。
工場・事業場は、この水質基準を超える下水を流すことはできません。水質基準を超えるおそれのある下水は、汚水処理施設(除害施設)を設置するなど、何らかの対策をしてから下水道に流さなければなりません。これらの、工場・事業場のうち法律で定められている特定事業場及び除害施設の設置を必要とする工場・事業場には、下水道法で届出が義務づけられています。以上のほかに、自社の下水の水質を測定する義務や除害施設等の維持管理状況について報告しなければならないなどのきまりがあります

2.特定施設と特定事業場

1.特定施設とは

工場や事業などの製造工程や作業工程などで、人の健康及び生活環境に被害を生じるおそれのある物質を含む汚水や廃液を排出する施設として、水質汚濁防止法施行令別表第一及びダイオキシン類対策特別措置法別表第二に掲げる施設をいいます。くわしくは特定施設一覧(1)特定施設一覧(2)を参照してください。

2.特定事業場とは

特定施設を設置する事業所のことをいいます。また特定施設を設置する者を特定施設の設置者といいます。あなたの事業場がこの特定事業場に該当するかどうか、よく確認くださいますようお願いします。
「特定施設のないその他の工場や事業場」(=非特定事業場)においても下水道への排出基準に違いはなく、重い義務と責任があり、事務手続や様々な規制・罰則が設けられています。
なお、旅館業(特定施設第66号の2)のうちで、温泉を利用しない場合は、特定事業場とは異なる扱いになっています。

3.水質基準

釜石市における公共下水道への排出基準値は下記のとおりです。こちらの ファイル(39 KB xlsファイル)  でもご覧いただけます。
水質基準

4.届出の義務

特定施設を設置する者(特定施設の設置者)が公共下水道を使用する場合には下水道法に基づき、いくつかの届出を行う義務があります。大まかに分けると、特定施設の新設等の届出を行う場合と、排水系統に関わる施設や機器を廃止したり等の届出内容の変更を行う場合との2種類に分類されます。
なお、除外施設を設置する場合は特定施設の有無に関係なく、除外施設の工事に関わる書類を届け出る必要があります。工場や事業場が特定事業場に該当するかどうかで届出の手続きが異なりますので、ご注意ください。

 特定事業場判定フローシート

1.特定施設に関する届け出義務

1.特定施設の設置・変更・廃止等に関する届出は以下のとおりです。

(1)公共下水道使用中の事業者が特定施設を新設する場合
(2)下水道使用中の事業場内にある、既設の施設が特定施設に指定された場合
(3)既に事業場内に特定施設が設置されている事業場が下水道を新たに使用する場合
(4)既に設置されている特定施設の構造・排水水質等を変更する場合
(5)事業場の届出者、所在地又は名称に変更が生じた場合
(6)特定事業場の使用を廃止したとき
(7)事業場の承継が行われた場合
(8)何らかの正当な理由により、特定施設の設置工事を早期着工したい場合

※ 下の表をWordで作成したものは こちら(46 KB docファイル) から入手できます。
※ 各「届出書の種類」欄の様式名から、Wordファイルの様式を入手できます

 

  届出を要する事項 届出書の種類 届出の内容 届出の期限 罰則
(1)

公共下水道を使用する者で、特定施設を新しく設置しようとする場合(下水道法第12条の3第1項)

特定施設設置届出書(28 KB docファイル) (様式第六(第八条関係))及び 別紙(283 KB DOCファイル) 
(注1)旅館業の場合は欄外参照
1)氏名または名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
2)工場又は事業場の名称及び所在地
3)特定施設の種類
4)特定施設の構造
5)特定施設の使用の方法
6)特定施設から排出される汚水の処理の方法
7)下水の量及び水質、用水及び排水の系統
設置の60日前までに提出(実施制限期間60日) 3月以下の懲役または20万円以下の罰金
両罰規定あり
(2) 公共下水道を使用している者で、既設の施設が 新たに特定施設に指定された場合 (下水道法第12条の3第2項) 特定施設使用届出書(29 KB docファイル) (様式第七(第九条関係) 特定施設になった日から30日以内 20万円以下の罰金
両罰規定あり
(3) 既に特定施設を設置している事業場で、新たに公共下水道を使用する場合(下水道法第12条の3第3項)

特定施設使用届出書(29 KB docファイル) 

公共下水道を使用することになった日から30日以内

20万円以下の罰金
両罰規定あり

(4)

届出者が特定施設の構造等、届出内容の(4)~(7)を変更しようとする場合(下水道法第12条の4)

特定施設の構造等変更届出書(27 KB docファイル) (様式第八(第十条関係)) 設置の60日前までに提出 (実施制限期間60日) 3月以下の懲役または20万円以下の罰金
両罰規定あり
(5) 届出者が氏名等、届出内容の(1)、(2)を変更した場合(下水道法第12条の7) 氏名変更等届出書(25 KB DOCファイル) (様式第十(第十二条関係))

変更の内容等

変更のあった日から30日以内 10万円以下の過料
(6) 特定施設の使用を廃止した場合(下水道法第12条の7) 特定施設使用廃止届出書(26 KB docファイル) (様式第十一(第十二条関係)) 特定施設の廃止 廃止した日から30日以内 10万円以下の過料
(7) 施設を譲り受け又は借り受け、相続、合併により届出者の地位を承継した場合(下水道法第12条の8) 承継届出書(28 KB docファイル) (様式第十二(第十三条関係)) 承継の内容等 承継した日から30日以内 10万円以下の過料
(8) 特定施設の設置工事を早期に着工したい場合 実施制限期間短縮申請書(26 KB DOCファイル)  実施制限期間の短縮

 注1)旅館業の用に供するちゅう房施設、洗濯施設及び入浴施設(温泉を利用するものを除く)に係わるものについては「特定施設設置届出」の対象から除かれます。

2.特定事業場内での事故発生時の措置について(下水道法第12条の9)

平成17年11月1日(平成17年6月22日公布)から施行された下水道法の一部を改正する法律により、特定事業場から下水道へ雨水や汚水を排出する事業者にたいして、人の健康に係る被害又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがあるシアン等の有害物質又は油脂が下水道に流入する事故が発生した場合には、直ちに応急の措置を講じるとともに、速やかにその事故の状況及び講じた措置の概要を、公共下水道管理者に届け出ることが義務付けられました。この改正により、特定事業者の皆さんは事故発生時に次のことを行う必要があります。通常時より内容について把握しておかれますようお願いします。

(1) 事故発生時の報告義務

特定施設を設置する事業場から下水を公共下水道に排出する届出者は、有害物質または油が下水に流出したり、公共下水道に流入する事故が発生した場合には、直ちに排出防止の応急措置を講ずるとともに、速やかに事故状況及び実施措置の概要を公共下水道管理者に届け出なければなりません。
対象となる物質については下記のとおりです。(下水道法施行令第9条の8)

水質汚濁防止法施行令第2条各号に掲げる26種類の物質及びダイオキシン類
カドミウム及びその化合物 シス-1,2-ジクロロエチレン
シアン化合物 1,1,1-トリクロロエタン
有機燐化合物 1,1,2-トリクロロエタン
鉛及びその化合物 1,3-ジクロロプロペン
六価クロム化合物 チウラム
砒素及びその化合物 シマジン
水銀及びアルキル水銀
その他の水銀化合物
チオベンカルブ
ポリ塩化ビフェニル ベンゼン
トリクロロエチレン セレン及びその化合物
テトラクロロエチレン ほう素及びその化合物
ジクロロメタン ふっ素及びその化合物
四塩化炭素 アンモニア、アンモニウム化合物、
亜硝酸化合物及び硝酸化合物
1,2-ジクロロエタン
1,1-ジクロロエチレン ダイオキシン類
水質汚濁防止法施行令第3条の3各号に掲げる7種類の油
原油 灯油
重油 揮発油
潤滑油 動植物油
軽油  

(2) 応急措置命令

適切な応急措置が講じられていない場合は、公共下水道管理者が応急の措置を講ずることを命令できます。この命令に違反した場合は、罰則が適用されます。
(罰則(下水道法第46条の2):6月以下の懲役又は50万円以下の罰金、両罰規定あり)
◎事故が発生した場合は、ただちに事故概要を下水道課に連絡してください。

事故とは~自然災害や火災、停電等によって、除害施設等の機能が停止したり、貯蔵タンクや配管等の破損、操作ミスなどによって有害物質又は油を含む下水が公共下水道に流入する事態をいいます。

2.全ての施設に関する届け出義務

1.工場・事業場からの汚水について

特定施設に該当するか否かに関わらず、工場・事業場からの排水は特定汚水に分類されます(注2)。 特定汚水に分類される汚水を公共下水道へと排出し、公共下水道を使用する際には、特定汚水放流申告書等(用紙はこちら)を提出しなければなりません。また届け出内容の変更に際しては届出が必要です。

(注2)
特定汚水の対象となる工場・事業所等は、事業活動に供する施設で次の各号に掲げる施設以外のものとする。(釜石市下水道条例施行規則第14条)
(1) 国の施設。ただし、公共企業体等、労働関係法(昭和23年法律第257号)第2条第1項第2号に規定する事業に係る施設を除く。
(2) 地方公共団体の施設。ただし、地方公営企業法(昭和27年法律第292号)第2条第1項に規定する事業に係る施設を除く。
(3) 学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する学校
(4) 社会福祉事業法(昭和26年法律第45号)第2条第2項第1号から第5号までに規定する事業に係る施設
(5) 児童福祉法(昭和22年法律第164号)第7条に規定する児童厚生施設、助産施設及び診療所
(6) 医療法(昭和23年法律第205号)第1条第1項に規定する病院及び同条第2項に規定する診療所)

2.除害施設の設置に関する届出書類

下水道の施設を損傷させる汚水、又は処理場の機能を低下させたり処理が困難な有害物質を含んだ汚水については、下水排除基準に適合する下水になるように除害施設等を設置する必要があります。除害施設等の設置義務は、全ての事業場に適用されます。また、除害施設等を設置する場合は、排水設備申請時に除害施設設置計画書・除害施設維持管理計画書等の届出が必要です。

5.下水道へ接続する際の注意

 工場や事業場では事業内容によって、排水中に有害物質や危険物、固形物など公共下水道に流れるのが望ましくない物質が含まれることがあります。そのため一般家庭とは異なり、排水中の水質に対して様々な項目に規制をかけたり、業種によっては除害施設の設置が義務付けられたりしています。それら除害施設の例としては下記の表のようなものがあります。

トラップの種類 収集する物質とその方法 主な業種
グリーストラップ 油脂類を水と分離して収集 飲食店、食品製造業など
オイルトラップ ガソリン・油類を水と分離して収集 ガソリンスタンド、車等修理工場、洗車場など
サンド阻集器 土砂・セメントなど重い物質を沈殿させ収集 -
ヘア阻集器 毛髪や不溶性物質を網目スクリーンで収集 美容院、理髪店など
プラスタ阻集器 石膏・貴金属など不溶性物質を沈殿させ収集 歯科医院、外科医院など
水質汚濁防止法施行令やダイオキシン類特別措置法施行令では様々な事業の各種工程が指定されていますので、市内でよく見かける事業場の中にも、特定施設であることが良くあります。例えば、製造業・クリーニング業・ガソリンスタンド・写真現像業・自動式車洗浄施設・飲食店・病院・研究所などは、特定事業場に該当する場合があります。
特定施設に該当するかどうかは下記の9項及び10項でご確認ください。(特定事業場とは、特定施設(水質汚濁防止法施行令別表第1又はダイオキシン類特別措置法施行令別表第1、第2に該当する施設)を設置する工場・事業場のことをいいます。) 特定施設に該当する施設をもつ工場や事業場では、施設の設置や廃止などを行う際に、一般の事業所で必要な手続に加えて様々な届出をする必要があるほか、排水の水質を測定する義務などが生じます。また、無許可で設置・改造・廃止等した場合には罰則が課せられます。
事業を行っている方々は特定事業場に該当するか事前によく確認をお願いいたします。

6.水質測定義務と報告義務

1.水質測定の義務

特定事業場の設置者は、下水道法第12条の11の定めにより公共下水道へどのような下水が排除されているかを知るために、排除する下水について次に示すとおり水質を測定し、その結果を記録、保存(5年間)しなければなりません。
測定項目・回数、測定方法、測定箇所、記録の方法については、次のとおりです。なお、良好な水質の下水を継続して排除している場合や業種によっては、測定回数を減らすことができます

(1)測定回数・水質測定方法等

測定項目 測定回数
温度・pH 排出の期間中、一日一回以上
BOD 14日を超えない排水の期間ごとに一回以上
ダイオキシン類 1年を超えない排水の期間ごとに一回以上
その他の項目(注) 7日を超えない排水の期間ごとに一回以上
注)下水道排除基準に設定されている物質で、上記に記載されている以外のものをいいます。

(2)採取方法

測定しようとする下水の水質が最も悪いと推定される時刻に、水深の中層部から採取してください。また測定については、下水の水質の検定方法に関する省令(昭和37年厚生省・建設省令第1号)に規定する方法で行ってください。

(3)試料採取場所

公共下水道への排出口ごとに、公共下水道と合流する直前で採取してください。

(4)記録用紙

次の様式(Wordファイル)により記録いただく必要があります。
下水道法施行規則『様式第十三(第十五条関係)  用紙(25 KB docファイル) 

2.水質の報告義務

下記の条件のいずれかに該当する工場・事業場については下水道を適正に管理するため、下水道法第39条の2に基づき、事業場の状況、除害施設又は下水の水質等について、釜石市に報告していただく場合があります。

ア 特定事業場
イ 使用開始等の届出を必要とする水質の下水を排除する工場及び事業場
ウ 除害施設を設置している一般の工場及び事業場

3.立入検査に応じる義務

公共下水道管理者は、その職員をもって公共下水道の働き及び構造を保全し、また、公共下水道からの放流水の水質を基準に合わせるために、下水道法第13条の規定に基づき排水区域内の他人の土地又は建築物に立ち入り、排水設備、特定施設、除害施設、その他の物件について、いつでも検査することができることになっています。
このため市では、随時立入検査を実施しておりますのでご協力をお願いします。

7.加算下水道使用料

特定施設を使用している場合には、使用している条件によって料金が加算される場合があります。

1.使用水量に拠る加算料金

現行の料金体系では加算はありません。 1施設(工場又は事業所)につき1月あたり1,000m3以上排出される場合には、下水道使用料金は特定汚水用料金表より算定されますが、現在の特定汚水についての料金体系は一般汚水用料金表と同じですので、1月あたりの使用量が1,000m3を超えても加算はありません。

2.汚水の水質に拠る加算料金(水質使用料)

工場や事業場から排出される汚水について、下表の(1)(2)の両方に当てはまる場合には水量使用料の他に水質使用料が加算されます。金額についてはその次の料金表を参照ください。

(1) 排出水量 日平均が40m3以上
(2) 排出水の水質が次の両方にあてはまる場合
  生物化学的酸素要求量(BOD) 201PPM以上600PPM以下
  浮遊物質量(SS) 201PPM以上600PPM以下

○水質使用料  (水量使用料に加算します)

汚水の濃度 1m3あたりの加算額
BOD SS
201~300ppm 15円 15円
301~400ppm 22円 22円
401~500ppm 30円 30円
501~600ppm 45円 45円

 計算例

市内の下水道を使用している工場から、
月間排水量1,500m3、BOD550ppm、SS250ppm
の水質の汚水を出した場合


 

  1. 水量による使用料の計算
      単価 水量 金額
60m3までの分 - 60m3 10,206円
61m3以上の分 175円 1,440m3 252,000円
小計(税抜き) 262,206円
   ※単価・計算方法は料金のページをご覧ください

  2. 水質による使用料の計算
      単価 水量 金額
BOD分 45円 1,500m3 67,500円
SS分 15円 1,500m3 22,500円
小計(税抜き) 90,000円

 

  3. 消費税額等の加算
    水量による使用料 262,206円
水質による使用料 90,000円
税別合計 352,206円
消費税等の額 28,176円
税込み合計・請求額 380,382円

※消費税=消費税額及び地方消費税額

 

8.公害防止資金融資制度

◆環境創造資金利子補給制度
公害防止事業の促進を図り、住民の健康保護と生活環境を保全することを目的に、岩手県が融資あっ旋する環境創造資金に対し、市が利子補給を行う制度です

(対象)
中小事業者等が岩手県の指定する融資あっ旋金融機関から貸し付けを受けた環境創造資金この制度についての詳細は、環境課環境保全係へ問い合わせ下さい。(釜石市役所 市民生活部 環境課 環境保全係 TEL. 0193‐22‐2111内線223)

9.特定施設一覧表(1)

水質汚濁防止法施行令別表第一 で指定する施設については、
次の 特定施設(1)(58 KB pdfファイル) をご覧ください。


10.特定施設一覧表(2)

ダイオキシン類特別措置法施行令別表第一、第二 で指定する施設については、
次の 特定施設(2)(20 KB pdfファイル) をご覧ください。

 

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