このページの目次

1.水の循環
2.汚水管と雨水管
3.ポンプ場の役割
4.処理場のはたらき
5.働く微生物
6.水や汚泥は再利用できる?
7.見学へどうぞ

8.雨水排除の役割としくみ

 1.水の循環(循環)

  はじめに、私たちのまわりで水はどのように動いているのか見てみましょう。

1.空から降った雨は、流れてしだいに集まり川になります。
2.川をせき止めてダムに貯めた水や、伏流水といわれる地下を流れる川から汲み上げた水で水道水をつくります。
3.浄水場で浄化された水道水は、皆さんの家庭まで水道管で配ります。
4.家庭や工場で水を使うと汚れてしまいますが、川へは流さずに下水道管に流します。下水はポンプ場を通ったりしながら下水処理場へたどり着きます。
5.下水処理場では汚れた水を、またきれいな水に戻してから川や海に戻します
6.海や川からは太陽の熱で水分は蒸発します。
7.蒸発した水分は地球を回って、冷やされたりすると雲になり、雨となってまた地上に降ってきます。

このように、水は自然の中を循環していて、私たちはその一部を借りて生活したり、いろんな活動に役立てています。もし人間が水を汚したまま自然に戻すと、そこに暮らしている生き物や環境のつりあいが崩れてしまい,私たち人間にも害を与えるようになりかねません。そこで、下水道をはじめとする汚水処理設備が活躍しています。

2.汚水管と雨水管

家庭や工場から流れ出る汚れた水は道路の下に埋設されている汚水管やポンプ場を通って下水処理場に流れてきます。処理場では微生物の働きを利用して下水を浄化します。
また雨水は専用の雨水管を通してすみやかに川に排出したり、土地が低いところではポンプを使ってくみ上げています。





3.ポンプ場の役割

使って汚れた水は、汚水管の中を下水処理場へ向かって流れて行きますが、次の(1)や(2)のようなところがあるとポンプ場が必要になります。 なお、小型のポンプ場とも言える「マンホールポンプ」も市内に20箇所以上活躍しています。
ポンプ場の中の設備には、大きな異物を止める粗目スクリーン、砂を取る沈砂除去設備、ゴミを取る自動除塵機、汚水を送るポンプ などがあります。

1.勾配がとりにくいところ

汚物を含んだ水が、溜まらないでどんどん流れてゆくためにはある程度の勾配(管の傾き)が必要です。そのため傾斜の少ない土地に埋められた下水管は、下流に向かってしだいに地表から深いところを進むようになります。
ところがあまり深くなりすぎると、管を埋めたり新しい枝管をつなぐ工事がとても難しく、危険になります。そこで管の深さがある程度深くなるようなところでは、ポンプで下水を汲み上げて浅い所を流してやるようにしています。当市では中妻と嬉石の汚水中継ポンプ場が該当します。

2.川などを横断するところ

下水管の経路が川や障害物に当たってしまうことがあります。川の底を深く迂回する「伏せ越し」という方法をとることもありますが、川の上を水管橋で渡る場合にもポンプ場が必要になります。当市では汐立汚水中継ポンプ場が該当します。

 

← 甲子川河口近く、矢の浦橋付近に設置されている矢の浦水管橋。汐立ポンプ場からの圧送管出口となっています。

 

 


 4.処理場のはたらき

  大平下水処理場(標準活性汚泥法)を例に、流れてきた汚水がどのように処理されてきれいになるのかを見てみましょう。((1)~(3)までの機械は処理場の直前の嬉石ポンプ場に設置されています)

1.粗目スクリーン2.沈砂池3.自動除塵機4.着水井5.最初沈澱池6.スカム除去装置7.エアレーションタンク8.最終沈澱池9.滅菌池10.汚泥脱水機11.電気設備・送風機

1.粗目スクリーン

木材などの大きなゴミが流入して来た場合でもポンプなどの機械が壊れないようにここで止めるようになっています。

2.沈砂池と沈砂処理設備

汚水の中には砂の成分も多く入っていますので、ここで沈めた後、砂専用のポンプで汲み上げ、サイクロンという機械で取り除きます。

3.自動除塵機と し渣脱水機

下水処理には微生物が好んで食べる有機物が溶解した状態で必要ですが、固形物やティッシュペーパーなどの繊維の長いゴミ(し渣)はここのスクリーンで捕捉・掻きとりしたあとし渣脱水機で水分を搾り取ります。(写真は点検口を開けたところ)

4.着水井(ちゃくすいせい)

ここでは流入水量を測定し、処理前のサンプルを採取して分析をします。汚水のよごれ具合がわかります。

5.最初沈澱池


汚水を約3時間かけてゆっくり流してやることで、沈みやすい汚れを沈澱させて取り除きます。浮遊物質の4割ほどが除去されます。

6.スカム除去装置

最初沈澱池の表面に浮かんでくる油脂や固形分をせき止めて除去し、脱水して袋に詰めます。

7.エアレーションタンク(=曝気槽)


汚水と 空気と 活性汚泥と呼ばれる微生物 を混合攪拌することにより、水に溶けてしまっていて沈澱池では沈めることの出来ない汚れを除去します。

8.最終沈澱池



約3時間かけてゆっくり流すことにより、活性汚泥を沈澱分離させ、透明な上澄だけを次に送ります

9.滅菌池


上澄液の中に残っている雑菌を消滅させて、釜石湾に放流します。

10.汚泥脱水機

最終沈澱池で沈めた活性汚泥は、エアレーションタンクで大部分が再利用されますが、増殖した部分を引き抜いたもの(余剰汚泥)と、最初沈殿池から来た生汚泥を汚泥脱水機にかけ、トラックに積んで搬出します。脱水前の濃縮汚泥の含水率は98%位ですが、脱水後の含水率は75%位になります。

11.電気設備・送風機(ブロワ)

処理場内のほとんどの設備は電気を使用して動いていますので、高圧(6600V)の電気を購入して電圧を落とし、各機器に配ったり、設備の監視を行ったり、停電時に発電する装置などがあります。
また、エアレーションタンクの活性汚泥が活動・呼吸するための空気を送るブロワも処理場では大事な機械です。

5.働く微生物

エアレーションタンク(曝気槽)で活躍している微生物は、活性汚泥と呼ばれ、多くの細菌類や原生動物で構成されています。最初沈澱池では沈みやすい汚れを除去できましたが、水に溶けてしまっている汚れ、例えば砂糖水や尿のような汚れは除去できません。そこでエアレーションタンクでは、微生物が溶けた汚れを食べて増殖することを利用して、汚れの除去を行っています。
微生物は自然の川や池の中のような所にもたくさん住んでいて、空気で呼吸しながら水の汚れを食べてきれいにする働きをしています。ところが人間がたくさん住んで汚れた水もたくさん流すようになると、自然の力だけではきれいに出来なくなってしまいました。
そこで下水処理場では(多くのほかの汚水処理設備でも同様ですが)、自然のしくみをまねした槽を作り、たくさんの微生物を飼い、空気もたくさん入れて呼吸を助け、汚水を処理してもらっています。決して薬品をたくさん入れることで処理をしているわけではありません。微生物が汚水処理では大活躍してくれています。

 6.水や汚泥は再利用できる?

  1.処理水の再利用

まず、処理してきれいになった水についてですが、釜石市の処理場では川や海を汚さない程度にはきれいになっていますが、飲むことのできる水質にするにはさらに高度処理を施す必要があります。
また水洗トイレや散水に使おうとする場合でも、「中水道」と言われる設備の管や送るためのポンプ・貯める池などが必要となります。水資源が比較的豊富な釜石市においては、現在のところ処理場の外での再利用は行っていません。処理場の中では設備の洗浄や泡を消すための水に再利用をしています。
なお、他の都市では次のような処理水再利用を行っているところもあります。
せせらぎ水路・親水空間列車等の洗車
緑地や路面への散水多雪地域での路面融雪

2.汚泥の再利用

釜石市では現在下水処理場で発生した脱水汚泥は、民間業者に処理を委託して緑化基盤材として再利用する方法をとっています。
下の写真は、釜石等の下水汚泥から作った厚層基盤材を市内山間部の道路法面に施工した箇所です。施工後2週間程度(左・10月)と、越冬後8ヶ月経過の状態を比較したものです。


下水汚泥を用いて作った緑化基盤材製品

他の処理場では下図のように、焼却後に最終処分する例もあります。
焼却灰でレンガを製造脱水汚泥や汚泥の焼却灰をセメント製造の原料に利用

3.その他の下水道設備の有効利用

釜石市では行っていませんが次のような利用をしている例があります。
岩手県内では盛岡駅西口地域において D のような下水の持つ熱を利用した冷暖房が行われています。

A.光ファイバーを下水管に通して通信に利用
B.広い処理場設備の上部を、公園や運動場に利用
C.下水の熱を生かして、バス停等の凍結防止に利用
D.下水の熱をヒートポンプで汲み上げて冷暖房に利用

 

7.見学へどうぞ 

釜石市下水道課では常時見学を受け付けています。市内の各小学校では4年の学習で下水道が取り上げられているため、毎年200人余の児童が見学に訪れます。 見学の概要は次のようになっています。所要時間は60分から90分くらいです。
1.下水道PRビデオ「スイスイの下水道ものがたり」約19分
2.処理工程の見学~汚い水から、処理途中、きれいになった水までと地下室・管廊・各種設備
3.下水をきれいにする微生物たち~顕微鏡で実物観察
4.質問受け付け・回答、記念品配布

↓平成19年度釜石市立双葉小学校の見学のようす

・見学の申し込みは下記の連絡先 までお願いします。
・代表者の方の氏名、見学予定日時、人数をお尋ねします。
・ご案内できるのは原則として平日(土・日・祝祭日・年末年始を除く)の8時30分から17時15分(見学終了時刻)までです。

8.雨水排除の役割としくみ

「下水道」と呼ばれる設備では、し尿・雑排水などの汚水だけではなく、雨水も扱っています。雨水管と呼ばれる管が、汚水管とは別に道路の下に埋設されていて、道路側溝や建物敷地等から流れ出てくる雨水を呑み込みます。
多くの雨水管は、自然流下でそのまま川や海に排出しますが、大雨が降って川の水位が上がると、堤防の中から外へ(川の方へ)排出することが出来なくなる地域があります。そのようなところには雨水排水ポンプ場を作って、道路や宅地に水がたまらないようにしてやる必要があります。釜石市では現在、鵜住居雨水排水ポンプ場と鈴子雨水排水ポンプ場が設置されています。